トップが語る、「いま、伝えたいこと」
今週はGWに入りましたし、舩井幸雄.comなので不思議なことを書いてしまおうと思います。昨年の夏ごろ、トランプ大統領が狙撃事件で耳を銃弾がかすめただけで奇跡的にかすり傷だけで済み、星条旗の前で血を流しながら力強くこぶしを上げられた写真を見た時に、大統領選挙はトランプ氏の勝ちであることが確信できました。アメリカに住んでいたこともあって国際政治や金融のことにも詳しくて、かつ未来のことを予想できる能力を持っておられる先生とその直後にお会いすることがあり、為替相場の行方を聞いてみたことがあります。簡単に答えを書くと、トランプ大統領の就任からしばらくは混乱が続くので、1ドル130円ぐらいまでの円高はあるかもしれない、というものでした。
本当に、その通りの動きが起こっていて、一時的に130円台を付ける水準まで行きました。今のところヘッジファンド出身で金融マーケットのことを熟知しているベンセント財務長官が金融政策については、先週書かせていただいたFRBの独立性に関する問題も含めて政権内で主導権を持って対処できているので、ちょっと落ち着いているという局面になっているようです。ただ、ベンセント長官とイーロン・マスク氏がトランプ大統領の面前で罵り合ったのではという報道も流れていて、トランプ大統領がどちらの路線を支持するかはまだ明確になっていないというところなのかもしれません。
前述の先生の予想では、トランプ大統領の経済政策もやがては落ち着いてきて、やがてはアメリカ経済のアドバンテージを活かした強さが明らかになってくるので、それから本当の意味でのトランプラリー(右肩上がりで株価が上がっていく状態)が始まる可能性があるというものでした。そちらのシナリオになるかどうかを見極められるのは、早くても3カ月後、もしかしたら年内いっぱいぐらいは混乱するのかなと最近の市場の動きを見ていて感じます。トランプ大統領は相互関税やFRBの人事等も含めてディールの材料として使っておられるのであって、本質的にアメリカ経済の強さは米ドルが基軸通貨であるということを理解されているのだと思います。
ただ、いまのままだとそれが原因でアメリカは貿易赤字を垂れ流し続けることになり、産業の空洞化の流れは避けられません。それでは金融と大きな意味でのIT(情報技術)分野だけが勝ち組になって格差が広がっていく流れは止まらないので、少なくとも日本やヨーロッパ、それに韓国や台湾などの親米国で製造業に力がある国の製造拠点(工場)をアメリカに作らせて雇用を生み出し、貿易赤字を減らす方向に舵を取りたいというのが本音ではないでしょうか。もちろん、独裁者として絶対的な権力が握れるのならキリスト教右派勢力と組んでそれに進むのもやぶさかではないと考えているとも思いますが、さすがにその実現性が低いのはご本人も感じているのだと思います。
今週は、小学生が書いた絵本、そうた作・絵『だっこがしたい足くん』(Clover出版)を紹介しようと思います。そうた君こと入江爽太さんは2013年兵庫県生まれの6年生。4月中旬に大阪の日雇い労働者の町釜ヶ崎で36年間ケースワーカーをされていた入佐明美さん(名著『ねえちゃん、大事にしいや 生きる喜びを分かち合うために』(いのちのことば社)等をぜひお読みください)との講演会を姫路の大事な友人である山本えりさんが主催してくれて3人で話しをさせていただいたのですが、そこにお母さんの入江まりさんと一緒に参加してくれました。
その時にいただいたチラシから引用させていただきます。
(引用開始)
息子、発達障がい児でした・・
「明日、目を覚ましたら、息子と目が合って笑いあえますように」
そんなことを願いながら一日を終えていました。息子はいわゆる発達障がい児(自閉症、ADHD)でした。ほんの6年前まで、目も心も言葉も合わない子どもでした。食と栄養、親である私の心を変えたら、その症状と診断名は消えてなくなりました。
人の表情もわからなかった息子が今、みんなを笑顔に、幸せにしたいと絵本を描いています。息子の絵本が、かっての私たちのような親子の希望になれば嬉しいです。
息子は「だっこ」と「こころのだっこ」を、私は「食と想いが人生を変える」ことを伝えていきます。全国で親子お話会&絵本ライブをさせていただいています。
そうた足スタントの母 入江まり
(引用終了)
そうた君の得意なことは「だっこ」。蹴とばしてしまうので「だっこ」ができない足くんが、どのようにして「だっこ」ができるようになったかを描いた内容になっています。小学6年生になった彼が自由に誰とでも「だっこ」ができるのは、そろそろ難しくなる頃ですが、その解決方法がちゃんと描かれているステキな絵本に仕上がっています。
先々週、紹介させていただいた森井啓二先生の食の本にも通じますが、どうも本質的に生きることでしか、トランプ大統領に対抗する術はないのかもしれません。でも、独裁者が支配するのではなく、世界中の子どもたちが豊かで文化的な生活が送れてやりたいことができて優れた能力が存分に発揮できる社会を創れるのは、私たち一人ひとりの意識を高め合っていくことでしか実現できないとも感じています。純粋な小学生が描いた絵本を連休のゆっくりした環境で楽しんでみていただければと思います。ちなみに、5月6日(火、祝)に神戸での私の講演会にも参加していただけると仰っていました。関西地方の方は、そうた君に会いにゴールデンウィークの最終日、神戸までいらっしゃいませんか。
=以上=

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
